「働くくらいなら、生活保護でいいじゃん。」
本当にそうなのか、疑問ですよね。
ひろゆき切り抜きを見て、
自分は違うことを考えたので、書いてみました。
いつまでもあると思うな生活保護
キャッチーな見出しをつけてしまいました。
もちろん、必要な時は受けるべきです。
- 失業した
- 病気で働けない
- 家族を養えない…
など。
私自身、まだ大学生ですが
- 親にいつまでも頼るわけにはいかない
- うつ病で働けないかも
ということから、
将来的に生活保護で生きるしかない、と思ったことがあります。
(うつ病的で悲観的な思考です。うつ病は時間がかかったとしても、治る病気です。)
でも、やっぱり生活保護には構造的な問題があるよね、という話です。
支給停止の可能性

隠れて貯金してましたね!生活保護費を止めます!

生活保護止められて困る!死ぬ!助けて!
ということはザラにあります。(生活保護業務に携わる人から聞いた話です)
本来、生活保護を受けているときに収入があれば申告しなければなりません。
しかしこの男性は、働いて得た収入を申告せずにいたため、市役所に保護費を止められてしまいました。
結局、県の方からの働きかけによって保護費は再開されたそうですし
この場合申告しなかったこの男性に落ち度があるのですが、
やはり、「いきなり保護費を止められる可能性がある」ということは知っておいたほうがいいです。
使い道の制限?

学資保険は資産です!保護費を減額します!

子供のために貯めるのもダメなの?!
中嶋訴訟(最高裁平成16年3月16日判決)です。
結果的には、受給者(原告)が勝訴して、本来の保護費が支払われることになりました。
しかし、
- 保護費が減らされ
- 裁判で戦う
というのはかなりの金銭的・時間的負担です。
制度改悪の可能性
現在は、例えば東京都新宿区に住む20~40代単身者は
約13万円の生活保護費をもらうことができます。(家賃補助含む)
日本の経済状況が悪くなっていき、みんなの生活水準が下がっていった場合は
「健康で文化的な最低限度の生活」の水準も当然下がります。
かといって、当然に物価も下がるとは限りません。
例えば、ハイパーインフレが起こっていたらどうでしょう?
「生活は楽にならないのに、保護費だけ削られた!」ということはありうるでしょう。
また、「生活保護をなくしてベーシックインカムにしよう」という動きもあります。
将来、生活保護の制度が改悪される可能性は十分あるでしょう。
担当者によって対応が違う
といったことからも、生活保護の取り扱いは
市役所等の担当者によってずいぶん違うということがわかります。
生殺与奪の権を行政に握らせるな
以上、見てきたように
- そもそも受給できるか
- 支給停止されないか
- 減額されないか
といった生活保護に関する判断は、すべて行政の手に握られています。
理念としては「健康で文化的な最低限度の生活」を
日本国民であれば平等に享受できるようにする、ということですが
実際には行政次第というところがあります。
自分でコントロールできないところで
自分の生活が成り立っているということになります。
(多かれ少なかれ、社会生活をしている人ならば誰でもそうかもしれませんが)
わざわざ、好き好んで生活保護を受けるとなるとちょっとデカいリスクじゃないですか?
働こうと思った時のハードル
- 資産とみなされて保護費が減額される可能性
から、仕事に必要な
- 車
- パソコン
などを必ずしも持てるとは限りません。
(原則的には、仕事で必要なものは持てることになっています。が、担当者によっては変な判断をしてくる可能性があります。)
また、
- 受給中に働いて得た収入は申告しなければならない
- 申告すると保護費は減額される
ということから、
- 生活保護を受けながら、できる範囲で働く
ということもなかなか難しくなってしまいます。
これらのことが、働こうと思った時の足かせになってしまいます。。
まとめ:自由なようで自由を制限される!
生活保護を受けている人が甘えているとか、働け、とか、
そういうことが言いたいわけではありません。
必要に応じて生活保護を利用するべきだと考えています。
しかし、生活保護を受けるとなると
結構自由を制限されてしまうよ、という話です。
この辺は制度設計の問題が多いにあると思います。
「収入の申告」などは、まあ合理的かなと思える制限ですが、
生活保護を受けるからといって、担当者によって対応が違うとかはかなり理不尽ですよね。
必要に迫られて、ではなく
あえて生活保護を受けるという生き方を選ぶ、という人は
自分がどんなリスクを取っているのか?を一度考えてみた方がいいと思いました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。