タルムードの知恵・悪魔と助産師

両学長でタルムードを知ったけど、
もっと知りたい!
タルムードは、ユダヤ人の富の源泉とも言われる説話集です。
もっと学んでお金持ちになりたいですよね。
この記事では、東大生の筆者が
- 「タルムード」に出てくる「悪魔と助産師」という話を紹介し
- 考えられる教訓は何か
- 説話のツッコミどころ
を書いています。
これを読めば、あなたもお金持ちへの道がひらけますよ!
悪魔と助産師

ある村にユダヤ人の助産婦が住んでいた。ある時、お産を助けた帰りが遅くなって凍てつく夜道を歩いていると、子猫の鳴く声を耳にした。鳴き声がするあたりをロウソクで照らすと、捨て猫が一匹、弱って死にそうになっていた。
助産婦は、持っていた温かいミルクと毛布を子猫に与えた。すると、突然人間の声で子猫が話し出した。
「私は悪魔です。他の悪魔があなたをお産の助けに呼ぶかもしれません。でも人間の姿をしているのでわかりません。その時に悪魔は報酬として持ちきれないほどの金貨をあなたに差し出すでしょう。それを受け取ればあなた自身が悪魔になってしまいます。金貨に惑わされず、いつも通りの報酬をもらってください。このウィズダムが私を助けてくれたお礼です」
そう言い終わると、子猫は悪魔の姿になり、闇に消えていった。それから何カ月も経ったある日の真夜中に、助産婦の家のドアをドンドンと叩く音がした。ベッドから起き上がってドアを開けると、一人の立派な身なりの男があわてた様子で立っていた。「妻が今にも出産しそうなので、急いで来てくれませんか」
真夜中だったが、助産婦は嫌な顔をせず、すぐに支度をしてその男の馬車に乗り込んだ。それからかなりの距離を走り、見たこともないお城に着いた。男は城主だった。若い妻の出産にギリギリ間に合い、無事赤ん坊を取り上げることができた。
「良くぞ、こんな夜中に遠いところを来てくださった。私の心ばかりのお礼をぜひ受け取ってください」
城主は大層感謝し、召使に命じて大きな重そうな袋を持ってこさせた。助産婦が袋を開けてみると、なんと中はまばゆい金貨で埋まっていた。彼女が一生働いてもこんな大金は稼げない。貧しい助産婦は、思わずその金貨に手を伸ばそうとしたが、その瞬間、いつかの猫の忠告を思い出した。それでこう返事をしたのだった。
「こんな大金は受け取れません。銅貨一枚だけで結構です」
銅貨一枚が助産婦のいつもの報酬だった。城主には何度も金貨を受け取るように言われたが、助産婦は固く辞退して、お城を後にした。馬車で送ってくれた城主は、馬車の中でしつこく聞いてきた。
「私が差し上げたいと言って いるのだから、遠慮はいらない。何も悪いことをして大金を手にするわけではない。どうして受け取らなかったのかね?」
そこで、助産婦はかつて助けた猫が悪魔であったことや、その悪魔が授けてくれたウィズダムについて話した。その話を聞くと、城主は悪魔の姿になり、
「お金の誘惑に負けない人間がいることを初めて知った。この次はお金ではなく、ご馳走で人間を誘惑することにしよう」とつぶやいて消えた。それから何年も経ったある日、村のラバイ(*ユダヤの聖職者)が見知らぬ人の葬式に招かれた。ラバイは遠いお城に連れて行かれたが、そこで死者を丁寧にとむらった。そこの城主はお礼にと、今までラバイが食べたこともないような豪華な食事に招いた。しかし、ラバイは助産婦から話を聞いていたので、思わずよだれが垂れそうな食事には一切手をつけず辞去した。城主はラバイの前には二度と現れなかった。
数年後、同じ村のモヘル(割礼手術をする人)のところに、見知らぬ人から依頼が来た。このモヘルはケチで有名だった。
「モヘルをして、真面目に仕事をし、ユダヤ教の勉強をし ているのだから、寄付はしない」と言い、小間物問屋とモヘルの仕事でお金を貯め、一切のツェダカ(収入の一〇分の一を寄付するユダヤの習慣)をしていなかった。モヘルが出向いた先は、立派な城で、男の子が毛布にくるまれていた。急いで割礼手術を施すと、その城主は大変感謝し、
「ぜひ受け取ってください」と金貨の詰まった袋を差し出した。モヘルは辞退した。すると
「では豪華な食事をぜひ食べていってください」と言われたので、これも断った。ラバイから話を聞いていたからだった。すると城主は悪魔になった。
「おまえはケチだと聞いていたが、金貨にもご馳走の誘惑にも負けないのであきらめよう。ただし、一つだけ忠告しよう。今後も今までのようにツェダカをしないのであれば、いずれおまえは悪魔の世界に引き込まれるであろう」そういうと、悪魔は消えていった。村に戻ってラバイにこの話をすると、「それは悪魔の言う通りだ」と、ラバイからも忠告を受けた。それ以来、このモヘルは心を改め、ツェダカを一生懸命行うようになった。
ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集(石角完爾 著)pp.78-81
*ブログ筆者注
教訓
金の奴隷になってはいけない
不相応な接待や、うまい儲け話には必ずウラがあるから乗ってはいけない
ということです。
よく、省庁の人が豪華な接待を受けていたことが明らかになり
問題になっていますよね。
また、しがないブロガーの私ですが、
高い報酬のアフィリエイトでも、自分がリアルな友達に勧められないものは
紹介しないことにしています。
報酬に目がくらんで紹介してしまうと、その時は儲かるかもしれませんが
いずれ信用を失うと思うからです。
人のために金を使え
寄付の習慣を身につけろ、ということですね。
日本人は寄付の文化がない、とよく言われますよね。
私は、寄付したお金が本当に適切に使われているのか疑問で、
ほとんど寄付をしたことがありません。
それから、収入が全くありません。
どちらも言い訳ですが…
あなたは、寄付を習慣にしていますか?
粗食をし、豊かな考えを巡らせよ
『タルムード金言集』では、
- 美酒・美食に溺れて滅んだローマ帝国
を例に挙げ、「美味いものを食ってばかりいると、バカになる」と
述べられています。
ユダヤ人は、粗食でなければ豊かな考え方ができないと
考えるようです。
確かに、豪華な食事は量も多く、
満腹になるとアタマが回らないですよね。
『年収90万円でハッピーライフ』(ちくま文庫)でも、
「粗食にすると身体が軽く、頭も冴える」と書かれていました。
試してみる価値がありそうです。
私はいつもスーパーの値引き品だけを食べていますし、少食なので
粗食といえば粗食かも…?
「美食家に知恵者はいない」?
著者の石角さんは、
「そういえば振り返ってみると、美食家で"ウィズダム”を持ち合わせた人は見た事がない」
と述べています。
私はこれを読んで"ある人"のことがパッと頭をよぎりました。
そうです。
あのテレビに出ていた美食家です。
多目的で問題になりましたね。
あなたの周りにいる美食家はどうでしょうか?
ツッコミどころ
一番目の悪魔の言うことを聞いてもいいのか?
しかし、悪魔の言うことを素直に聞いていいのでしょうか?笑
悪魔も、助けてもらったお礼に真理を語ってくれるのでしょうか?
一番目の悪魔が言うこともウソで、その後の悪魔の誘いにも乗ってはいけない
とすると、一切の報酬を受け取ってはいけないことになりそうです。
でもそれでは食べていけないですよね。
まとめ
悪魔と助産師の話の教訓は、
- 不相応な接待やうまい儲け話に乗ってはいけない
- 寄付を習慣にしよう
- 粗食にし、頭を働かせよう
でした。
説話のツッコミどころは
- 一番目の悪魔の話を素直に聞いていいのか
というところです。
粗食や寄付は、今日から実践できそうですね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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